上顎前突とは
上顎骨や上顎前歯が正常な位置よりも前方に突出している状態を指します。具体的には、下顎の歯に比べて上顎の歯が前方に過度に位置することを意味します。上顎前突の口元は、口元の突出やオトガイ(下顎のあご先)が緊張し、しわができることが特徴です。この状態では口を閉じることが困難となりますので、30代以降の唾液の分泌が低下しますと歯周病のリスクが高まります。日本人の場合には、下顎が後退している上顎前突が多いと言われています。
上顎前突の原因
- 遺伝的要因:家族内で似たような顎や歯の配置を持つ人がいる場合、遺伝的な要因が関与している可能性があります。
- 口腔の習慣:長期にわたる親指しゃぶりや舌の習慣(舌を歯の間や歯の裏に押し付ける習慣)などが、上顎の成長や歯の位置に影響を与えることがあります。
- 過度の上顎の成長:上顎が正常よりも前方に過度に成長することで、上顎前突が生じることがあります。
- 歯の抜け落ちや抜歯:歯が抜け落ちたり、抜歯されたりすると、隣接する歯や対向する歯が移動することがあり、これが上顎前突の原因となることがあります。
上顎前突を放置するリスク
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美容的な問題:上顎前突は顔のプロフィールに明確な影響を与え、外見上の不均衡を生じる可能性があります。これにより、自己意識や自信の低下が引き起こされることがある。
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咬合の問題:上顎前突のために上下の歯が適切に咬み合わせられないことがあります。これは、食事の際の咬む動作の効率低下や、食べ物が歯の間に挟まることが多くなる原因となります。
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歯の損傷リスク:前突している歯は外傷や衝撃の際に傷つきやすく、破折や損傷のリスクが高まります。
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歯の摩耗:不正な咬合により、歯が異常に摩耗し、歯の寿命が短くなる可能性があります。
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歯周病のリスク:口唇閉鎖が困難なため、口腔内が乾燥し歯周病原菌の活動が活発化します。
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発音の問題:上顎前突のために舌の位置が正常でないと、特定の音の発音が難しくなることがある。
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自己意識の問題:上顎前突やその他の歯並びの問題は、自己意識や自尊心の低下、社交的な避ける傾向などの心理的影響をもたらすことがあります。