初めて装置が入りますが、壊れたり痛みが出てきた場合はどうすればいいのですか?
取り外しができる装置の場合は、一度使用を中止してご連絡をお願いいたします。壊れた原因の調査や痛みの出る部分の調整をいたします。
取り外しができない装置の場合は、速やかにご連絡をお願いいたします。必要に応じて、装置のつけ直しや、一時除去を行います。
しかし当院では、万全を期して新しく装置を装着するときには、休診日の前日にお約束を入れることを控えております。装置に慣れていない状態で次の日が休診日だった場合、何かあった時の対応ができなくなってしまう恐れがあるためです。
治療が始まるとどのくらいのペースで通院するのですか?
歯が動くためには、動く先の骨を吸収していく必要があり、動いた後には骨ができてきます。このように骨が吸収したり添加されたりしながら歯は動いていきます。動きやすい人でも1ヶ月に1mmが最大とも言われています。
とても少なく感じるかもしれませんが、数ヶ月も来院できないと、装置の不具合により歯がとんでもない方向へ動いてしまうことも考えられます。
そうなると修正に必要な期間が追加されて、どんどん治療は伸びてしまいます。そのため1ヶ月に1度の通院が適切な間隔だと言えます。
矯正治療で歯を抜くことがあると聞きましたが必ず抜歯をするのですか?
矯正治療で抜歯をすることはあります。
例えば個々の歯が大きく、歯列がガタガタしている場合や、ガタガタしていなくても口元が突出している場合は歯を抜いて治療をすることがあります。しかし、「ガタガタしている・出っ歯である」から必ず抜歯するということもありません。十分に分析した上で、どうしても抜歯が必要であると判断した場合に選択されます。
私も健全な歯を極力抜かずに矯正治療ができればよいと考えております。
部分矯正(MTM)はできますか?
一部分の矯正(MTM)についても対応しております。
部分的にワイヤーを使用するため症例は限られてきますが、前歯の隙間を詰めることや歯科治療で被せ物を入れる際に、より長持ちできるよう補助的な矯正治療となることが多いです。
結婚式に合わせて矯正治療を考えています。
ブライダル矯正という言葉も聞いたことがありますが、どのようなものですか?
ブライダル矯正という言葉は、通常の矯正治療と異なるものと誤解を受けやすい表現として日本矯正歯科学会から指摘を受ける表現です。実際には、通常の矯正治療と変わりはありません。
結婚式の前撮りや式に合わせて一時的に装置を外すことや前歯の目立つ部分だけを優先して治療すること、見えにくい矯正装置を使用することをブライダル矯正と呼んでいるようです。
通常の矯正治療でも結婚式に合わせて装置を一時的に外すなどの対応は可能です。歯列の状況や式までの残り期間のスケジュール管理が大切になってきます。
金属アレルギーがありますが治療はできますか?
マウスピース型矯正であれば、プラスチック素材ですので金属アレルギーの心配はありません。
どうしてもマウスピースタイプを使用できない症例であった場合、金属アレルギーの原因金属をパッチテストによって明らかにすることもでき、その金属を含まないワイヤーを使用するなどの対応もできますので、ご相談ください。
何歳くらいまで矯正はできるのですか?
歯周病などの病気が抑えられており、顎の骨がしっかりしていれば基本的には何歳であっても矯正治療はできます。
加齢とともに歯が動きにくくなり、歯肉の反応などもやや低下してきますが、それらに気を付けながら治療方針を立て、治療を行います。
近年ではインプラントの埋入スペースを作ったり、被せ物をきれいに装着したりするために歯を動かすこともあります。
成長期になって顎が出てきたように感じますが問題はありませんか?
上顎と下顎の成長時期は異なっています。
上顎の方が早くに成長が止まり、思春期の2次性徴に合わせて下顎は成長していきます。そのため、顎が出てきたように感じると思いますが、大人の顔つきへと変化しているということです。
受け口の治療は成長の抑制や様子を診ることもありますが、出っ歯の治療についてはこの成長を利用していきます。
子どもが吹奏楽部やスポーツ系の部活に入っていますが、
取り外せない装置だと何か支障はありますか?
取り外せない装置を装着したばかりの頃は少し演奏しにくいかもしれませんが、しばらくするとほとんど影響なく演奏できるようです。
その他、スポーツ系の部活であってもパフォーマンスが低下するようなことはほとんどありません。
アメリカンフットボールをされている方の矯正治療を行いましたが、専用のマウスガードを作製することでほとんど問題はありませんでした。しかし口元を強打することがあれば、装置が取れてしまうこともありますので一度ご連絡をお願いします。
装置にはどのようなものがありますか?
歯並びや成長の様子によって適切な装置を選択しますが、取り外しができる装置と取り外しができない装置があります。
取り外しができない装置は来院ごとにスタッフによる調整を行います。
取り外しができる装置は使っていただかないと効果がありませんので、お子さんの協力が必要です。
乳歯の時は歯並びがきれいだったのに、永久歯に生え変わってガタガタしたのはなぜですか?
乳歯列期は基本的にすきっ歯であることが普通です。特に前歯では、乳歯は永久歯に比べて小さく、永久歯が生えてきやすいよう隙間が空いています。
乳歯列期に隙間なくきれいに並んでいるお子さんほどガタガタが出てきやすいです。
歯並びは遺伝するのですか?
歯並びについては、遺伝的要素と環境的要素が関係しています。
歯や顎の大きさなどは遺伝的な要素が強いと考えられています。しかし、舌運動の異常(乳児型嚥下の残存など)や鼻呼吸ができず口呼吸であったり、指しゃぶり期間が長かったりと環境的な問題によっても歯並びには影響がでてきます。遺伝的要素の問題と環境的要素の問題で治療のアプローチが異なってきます。
遺伝的要素の場合は、成長の促進・抑制を行うことで顎のバランスを整えることを目的とし、環境的要素の場合は、歯並びに悪影響を与える要素を早期から除去することが大切です。
小児における矯正治療の介入が、歯並びだけではなくお口の正常な機能を獲得するために重要な役割を担っていきます。
いつから矯正治療ができますか?
現在では、乳歯列の時期(約3歳)からでも適応できる装置もありますが、多くの場合、上下顎の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えてきた頃が良いと思われます。顎の成長時期と合致していることや、装置を留めるために第一大臼歯を利用することが多いためです。しかし、3~4歳頃にすでに受け口の傾向がみられる場合や、検診などで歯並びや生まれつき永久歯が欠損していると指摘された場合は、早めに矯正歯科を受診することをおすすめします。
子どもの矯正治療の意味とは何ですか?
子どもの時期は「成長」という重要な変化があります。歯並びの状況によっては、顎の成長を阻害してしまうことがあります。顎の成長にとって不利な環境を改善することが小児矯正の目的です。
具体的には、顎の成長を促したり、抑制したりすることで上下の顎のバランス(水平的・前後的・垂直的)を整えます。その際に必要な乳歯や永久歯の移動も小児矯正で行うことがあります。
どうしても装置が痛いです。
装置が外れていたり、ワイヤーが飛び出してしまったりしている可能性があります。
いつもと違う痛みがある場合や、不安なことがありましたら遠慮なくご連絡ください。緊急対応をさせていただきます。
口内炎はできますか?
装置を入れたばかりは感覚が馴染んでいないため、口内炎ができやすいことは確かです。
新しく装置が入った場合には、カバー材をお渡ししています。口内炎になってしまった場合は、装置の痛む場所にカバー材を付けると痛みが緩和します。装置の感覚は1ヶ月程度で慣れていき、口内炎も落ち着いてきます。
矯正治療は痛むのですか?
歯に対して持続的に弱い力をかけて移動させていきます。そのため、装置を装着して1~3日くらいで痛みが出始めます。しかしずっと続くわけではなく、たいていは1週間くらいで治まっていきます。
相談してからどのくらいで装置をつけるのですか?
相談でお話しした内容は、お口の状態を診ただけの内容です。使用する装置についてはきちんと資料を取り、分析してからお話ししております。
相談後すぐに資料を取ることもできますが、分析には1~2週間のお時間をいただいております。装置の種類にもよりますが、早い方で相談してから2~3週間後に装置を入れることができます。
相談だけでもできますか(セカンドオピニオン含め)?
可能です。相談をしてみてから決めることは大切だと思います。
むし歯の治療や入れ歯の作り直しとは異なり、矯正治療は一生のうちに何度も治療を行うわけではありません。そのため、患者さんが「どのような治療をしたいか」納得できる医院で治療を受けることがいいのではないでしょうか。
また、セカンドオピニオンなど誰に相談していいのか分からないというような矯正治療中の不安ごとについてもご相談ください。