矯正治療を受けていると、ブラケットやワイヤーなどの装置が歯に取り付けられているため、食べかすや歯垢が溜まりやすく、虫歯になるリスクが高くなります。
矯正治療中に虫歯ができてしまった場合、どう対処すれば良いのでしょうか?
今回は、その対処法や予防方法について説明します。
1. 矯正治療中に虫歯ができやすい理由
矯正治療中は、歯の表面に装置が取り付けられているため、歯磨きが難しくなりがちです。
特にブラケットの周りやワイヤーの隙間に食べかすや歯垢が溜まりやすく、通常の歯磨きでは落としきれないことがあります。
これらの汚れが長時間歯に残ると、細菌が繁殖し、酸を作り出すことで、歯のエナメル質を溶かしてしまうため、虫歯が発生しやすくなります。
2. 矯正治療中に虫歯ができたらどうする?
もし矯正治療中に虫歯ができてしまった場合、早期に対応することが非常に重要です。
虫歯を放置すると、症状が進行し、最悪の場合には歯を抜かなければならない事態に繋がることもあります。
1. 歯科医師に相談
まず最初にすべきことは、矯正治療を担当している歯科医師に相談することです。
虫歯ができたかどうかを確認するために、レントゲン検査や視診で歯の状態を詳しくチェックしてもらいます。
むし歯の程度や、矯正治療の進行段階によりますが、早急に治療が必要な場合と歯がある程度動いてから治療をする場合など、人それぞれ様々な進め方があります。
2. 治療の流れ
当院ではむし歯治療は行わないため、かかりつけの歯科医院にむし歯治療の依頼を出します。
むし歯が出来た箇所によりますが、矯正装置の近くにむし歯ができた場合には、一時的に装置を外す必要があります。
しかし、外したままにしておくと歯が動いてしまうため、治療が終わり次第早急に装置を戻す必要があります。
また、むし歯の進行度合いによっては、矯正治療を一時中断し、むし歯治療優先になる場合もあります。
矯正治療の進みが遅れる可能性もありますので、患者様にはむし歯を作らないよう心掛けていただく必要があります。
3. 矯正治療中に虫歯を予防する方法
虫歯を予防するためには、矯正治療中にしっかりとケアをすることが必要です。
以下に、予防するためのポイントを紹介します。
1. 丁寧な歯磨き
矯正治療中は、歯とブラケットの隙間に汚れが溜まりやすいため、普通の歯磨きよりも時間をかけて丁寧に磨くことが大切です。
普段使用している歯ブラシに加えて、タフトブラシやフロスを併用することで、ブラケット周りやワイヤーの隙間、歯と歯の間の汚れもしっかりと落とすことができます。
また、歯磨き粉にはフッ素が含まれているものを使うと、虫歯予防になります。
2. デンタルフロスや歯間ブラシの使用
フロスがうまく通せない場合は、フロススレッダーという補助用具を使用すると、ワイヤー矯正をしている患者様でも簡単に使用することができます。
また、歯と歯の間に隙間が見られる患者様は、歯間ブラシを使うと便利です。
歯間ブラシにもサイズがありますので、通した時にきつすぎたり緩すぎたりするものではなく適度なサイズを選ぶことが重要です。
また、隙間に対して無理に挿入したり、動かす角度や力加減を間違えてしまうと歯肉を傷つけてしまうことがあるため、使用方法が難しい場合には歯科衛生士にお尋ねください。
3. 食後すぐに歯磨き
食事後に食べかすが歯に残ると虫歯の原因になります。
特に甘いものや酸性の飲み物を摂取した後は、すぐに歯磨きをすることが大切です。
歯磨きができない場合でも、水で口をゆすぐことで口腔内を清潔を保つことができます。
4. 定期的なチェック
矯正治療中は、定期的にかかりつけの歯科医院にてチェックを受けることが重要です。
定期的なクリーニングや虫歯のチェックを受けることで、虫歯の早期発見が可能になります。
4. まとめ
矯正治療中に虫歯ができてしまうと、治療が遅れたり、最悪の場合は歯を失うことにも繋がりかねません。
しかし、虫歯を予防するために必要なケアをしっかり行えば、治療中も健康な歯を保つことができます。
もし虫歯ができた場合は、早期に歯科医師に相談し、適切な治療を受けましょう。
また、日々の歯磨きや食事管理を徹底することで、虫歯のリスクを最小限に抑え、矯正治療をスムーズに進めることができます。