矯正治療中は、毎日の生活の中で装置に慣れるまで少し時間がかかります。
食事や歯みがきのときにうっかりぶつけたり、硬いものを噛んだりして、ワイヤーやブラケットなどの装置が外れたり、取り外しの装置が壊れてしまうことがあります。
「どうしよう…これって大丈夫?」と不安になる方も多いと思います。
今回は、矯正中に装置が外れたり壊れてしまったときの正しい対処法についてご説明します。

まずは慌てずに、状態を確認しましょう
装置が外れたときに大切なのは、まず落ち着いて状況を確認することです。
そして、早急に歯科医院に連絡をしましょう。
外れたのがどの部分かによって、歯科医院に行くまでの対応が変わります。
■ ブラケット(歯に付ける小さな金具)が外れた場合
歯に接着してあるブラケットが外れて取れてしまったときは、早急に歯科医院に連絡しましょう。
外れた状態でワイヤーにまだ繋がっている場合は、無理に動かすと口の中を傷つけてしまうことがあります。
ブラケットの上からカバー材を貼り付け、一時的な固定をしておくと違和感が軽減します。
■ ワイヤーが外れたり、飛び出したりした場合
ワイヤーがずれたり、口の中で当たって痛い場合は、ワイヤーの先やブラケットにカバー材を一時的に当てて保護しておくと痛みが軽減します。
早急に歯科医院へ連絡しましょう。
■ 取り外し式の装置(マウスピースや拡大床など)の場合
壊れたり、変形した場合は、自分で修理したり接着剤を使ったりしないようにしてください。
無理に使い続けると、歯の動きに悪影響を与えたり、口の中を傷つけてしまう可能性があります。
すぐに歯科医院へ連絡し、指示を受けましょう。
■ アタッチメント(歯に付いている小さな白い突起)が外れてしまった場合
放置してしまうと動きにずれが出てきてしまいます。
外れたことに気が付いたらすぐに歯科医院に連絡しましょう。
どんな状況で外れてしまったのかという原因がとても重要です。
些細なことでも状況が分かれば、担当のスタッフにお伝えください。
■ マウスピースを紛失してしまった場合
ご自身で判断せず、一度歯科医院に連絡しましょう。
次のマウスピースに進むか、新しい装置を作製するかの判断をしてもらいましょう。
痛みや違和感がある場合の応急処置
装置の一部が当たって痛む場合は、前述のようにカバー材で保護するのが基本です。
強い痛みや出血が続くようなら、できるだけ早く歯科医院に連絡してください。
すぐに連絡したほうがいいケース
次のような場合は、放置せず早めの受診が必要です。
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ブラケットやワイヤーが完全に外れてしまった
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ワイヤーが頬や歯ぐきに刺さって痛い
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装置が壊れてしまい、装着できない
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痛みや腫れが続いている
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歯の動きに影響が出そうな場合
矯正装置は歯を少しずつ動かすために計算された力をかけています。
そのバランスが崩れると、歯の移動計画がずれたり、治療期間が延びてしまうこともあるため、できるだけ早めの対応が大切です。
装置が外れやすい原因と予防のポイント
装置が外れてしまう原因はいくつかあります。
普段の生活の中で気をつけることで、トラブルを防ぐことができます。
【1】硬いもの・粘着性のある食べ物を避ける
氷やアメ、ナッツ類、ガム、キャラメルなどは装置に強い力がかかるため要注意です。
特にワイヤー矯正中は、硬い食べ物は小さくして食べるようにしましょう。
【2】スポーツや事故による衝撃に注意
部活やスポーツ中にボールや人とぶつかって外れることもあります。
接触のあるスポーツをする際、取り外し可能な装置の場合外してから行うことをおすすめします。
【3】取り外し式装置は正しい使い方を守る
マウスピースや拡大床などは、装着時間や取り扱い方法を守ることが大切です。
変形や破損を防ぐため、熱湯で洗わないようにしましょう。
まとめ
矯正中に装置が外れてしまっても、慌てずに落ち着いて対応することが大切です。
まずはどの部分が外れたのかを確認し、痛みがある場合は応急処置を行い、できるだけ早く歯科医院へ連絡しましょう。
装置のトラブルは誰にでも起こり得ることです。
大切なのは、「その後の対応を正しく行うこと」。
早めの対応で治療の遅れを防ぎ、予定通りにきれいな歯並びを目指しましょう。