
※本記事では、矯正歯科で一般的に行われている内容もあわせてご紹介しています。実際に適応となる治療方法や費用・期間は患者さまの状態によって異なるため、当院では初回相談や診断時に個別にご説明いたします。
有料相談は「治療前に理解を深めるための大切なステップ」
矯正治療は、一般的に2〜3年に及ぶことが多く、費用も自由診療として決して小さくありません。そのため「どんな治療なのか」「どのくらい期間が必要なのか」「何から始めればよいのか」など、治療を開始する前に気になる点は多いものです。
有料相談は、こうした疑問を整理し、治療への理解を深めるための時間として位置づけられています。無料相談と異なり、あらかじめ時間を確保し、患者さまの悩みを丁寧に伺いながら、治療の流れや選択肢について詳しく説明します。
ただし、ここで重要なのは 有料相談=診断ではない という点です。
診断や治療計画の作成には精密検査が必要であり、有料相談はあくまで「診断の前段階」として、治療への理解を深めるための場となります。
有料相談で得られる3つの価値
1. 自分の歯並びの問題点を整理できる
有料相談の大きな価値のひとつは、現在の歯並びに関する悩みや症状を整理できる点です。
最初に行うカウンセリングでは、歯並び・噛み合わせのお悩み、気になる点、生活上困っていることなどを伺います。
代表的な歯並びのタイプとしては、上顎前突(出っ歯)、下顎前突(受け口)、叢生(デコボコ)、すきっ歯、開咬、過蓋咬合などがあります。それぞれ原因が異なり、治療の方向性も変わるため、自分がどのタイプに当てはまるかを知ることが治療の理解を深める第一歩になります。
また、歯並びだけでなく、顎の成長状態や骨格的な問題が影響している場合には、矯正単独では対応が難しいことがあり、その可能性について一般的な観点からご説明します。精密検査を行うかどうかの判断にも役立ちます。
2. 治療の選択肢と治療の全体像を理解できる
矯正治療には複数の種類があり、装置ごとに特徴があります。
有料相談では、治療選択肢を理解したうえで、患者さまにとってどの方法が向いているかを考えるための“材料”を揃える時間になります。
当院では以下の治療方法に対応しています:
- ワイヤー矯正(唇側のマルチブラケット装置)
- マウスピース型(カスタムメイド)矯正装置
- 部分矯正(MTM)
- ハーフリンガル矯正(上顎舌側 × 下顎唇側)
各治療法には以下のような特徴があります:
見た目の違い
インビザラインは透明で目立ちにくく、ワイヤー矯正は装置が表側に見えるという違いがあります。見た目を気にする方にとっては治療法選びに直結する重要な要素です。
装置の取り扱い
インビザラインは取り外し式で衛生管理がしやすい一方で、装着時間の管理が必要です。
ワイヤー矯正は固定式で管理が不要ですが、清掃が難しく、食べ物の制限が生じたり、口内炎が起こりやすい場合があります。
適応範囲
歯列全体の移動を伴う症例ではワイヤー矯正が適していることが多く、アライナー矯正は適応範囲が広がっているものの、骨格的な問題を含む症例では適応外となる場合もあります。
こうした説明を初回相談で理解することで、「自分の生活背景や希望に合わせた治療方法」を検討しやすくなります。
ただし、治療方法の最終決定は 精密検査→診断工程 を経て行われます。有料相談で治療計画が決まるわけではありません。
3. 治療の流れを把握し、今後の見通しを持てる

矯正治療を始めるにあたって、治療の大まかな流れを知っておくことは安心につながります。
有料相談では、矯正治療が一般的に以下の流れで進むことを説明します:
- 初回相談(有料相談)
治療全体の流れや装置の種類、リスクなどを理解する
※診断は行いません
- 精密検査(診断用資料採得)
レントゲン・セファロ・スキャンなどを実施
小児の場合:45,000円
成人の場合:50,000円
- 診断・治療計画の説明
検査結果をもとに治療計画を作成し、期間・費用・リスクを説明
- 治療開始(装置の装着)
ワイヤー矯正、インビザライン、MTM、ハーフリンガルのいずれか
- 調整・経過観察
月1回程度の通院で進行状態を確認
成人処置料:5,500円
ハーフリンガル処置料:7,700円
小児処置料:4,400円
- 保定(リテーナー)期間
治療後の後戻りを防ぐ期間
1〜2年が一般的
治療期間の目安は、全体矯正では 2〜3年、通院回数24〜36回 が一般的で、部分矯正では半年〜1年程度となります。
ただし正確な期間・費用は 精密検査後に確定 します。

矯正の有料相談で後悔しないために|事前に確認したい質問リスト
矯正の有料相談を受ける前にチェックしておきたい質問リストをわかりやすく紹介します。相談を最大限有効活用したい方に役立つ内容です。
初回相談で「必ず確認しておきたい質問」
治療方法について
「ワイヤーとインビザラインの違いは?」
「自分の症例ではどの方法が適応の可能性がある?」
といった質問は、治療選択の方向性を理解するうえで重要です。
治療期間の目安

「おおまかにどれくらいの期間が必要になりそうか?」
この質問は、生活スケジュールやイベントの計画にも関係するため、初回相談で確認しておくと安心です。
費用の考え方
当院の主な費用
- 初回相談:3,300円
- 精密検査:45,000円(小児)/50,000円(成人)
- インビザライン(マウスピース矯正):990,000円
- 小児アライナー矯正:650,000円
- 唇側矯正:800,000〜880,000円
- ハーフリンガル矯正:1,300,000〜1,500,000円
- 部分矯正(MTM):230,000円(1ブロック)
これら費用は治療の範囲に応じて変動するため、検査後に確定します。
リスクと副作用
痛み・歯の動揺・むし歯リスク・歯根吸収・後戻りなど、治療には一定のリスクがあります。これらはどの矯正治療にも共通する一般的な内容です。
生活への影響

装置の見え方、アライナーの装着時間、食事や歯磨きのしやすさなど、生活習慣と治療の相性は重要な判断材料です。
保険適用が可能となるケース
矯正治療の多くは自由診療ですが、顎変形症に対して外科手術が必要と判断される場合 には保険適用が可能です。
ここで重要なのは、医療機関同士の診断基準です。
矯正歯科の担当施設と、手術を行う医療機関(口腔外科)がともに顎変形症と診断した場合、原則として保険治療として開始できます。
当院は顎口腔機能診断施設・自立支援医療機関の指定を受けており、保険適用が可能な症例には対応しています。
有料相談を有意義にするためのポイント
悩みをメモにまとめておく
治療に関する悩みは一度に思い出せないこともあります。箇条書きでもよいので、手元にメモを準備しておくと相談がスムーズです。
希望する治療法がある場合は事前に伝える
インビザラインを希望している、装置が目立つのは避けたい、できるだけ短期間で治療したいなど、治療への希望を遠慮なく伝えましょう。
ライフスタイルも共有する
仕事、学校、スポーツ、イベントなど、生活背景は治療選択に関係します。通院頻度が調整できるかどうかにも影響するため、相談時に共有することが大切です。
まとめ
有料相談は、矯正治療の理解を深めるための大切なステップです。
初回相談の段階で治療計画が決まるわけではありませんが、
「自分の治療方法の方向性」「治療全体の流れ」「必要となる検査」「想定されるリスク」
を整理することで、安心して次の段階へ進むことができます。
当院では、患者さま一人ひとりの症状や希望に寄り添い、治療に必要な情報を丁寧にご説明いたします。矯正治療をご検討されている方は、まずは初回相談を通じて、今後の方向性を明確にしていただければと思います。
著者情報
ニッコリ矯正歯科クリニック 院長 小林 弘史

略歴
2002年03月 駿台甲府高等学校 卒業
2008年03月 東京歯科大学歯学部 卒業
2008年04月 同大学 臨床研修歯科医師
2009年03月 同大学 臨床研修歯科医師 修了
2009年04月 同大学 歯科矯正学講座 Post Graduate Course 入局
2010年04月 同大学 大学院 入学(歯科矯正学講座)
2012年03月 同大学 歯科矯正学講座 Post Graduate Course 修了
2014年03月 同大学 大学院 卒業(歯科矯正学講座)
赤坂まつの矯正歯科にて舌側矯正を研鑽
東京歯科大学 矯正歯科学講座 勤務
2016年04月 同大学 矯正歯科学講座 臨床講師
2018年05月 ニッコリ矯正歯科クリニック 開院