
※本記事では、矯正歯科で一般的に行われている内容もあわせてご紹介しています。実際に適応となる治療方法や費用・期間などは、患者さまの状態によって異なりますので、当院では初回相談や診断時に個別にご説明いたします。
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、透明なアライナーを用いて歯を段階的に移動させる矯正治療です。透明性が高く、装着中も周囲から気づかれにくい点や、食事や歯磨きの際に取り外すことができる点が特徴で、近年選ばれることが多くなっています。
当院では、マウスピース型(カスタムメイド)矯正装置のほか、唇側矯正(マルチブラケット装置)、部分矯正(MTM)、上顎舌側×下顎唇側のハーフリンガル矯正など、症状や生活背景に応じて複数の治療選択肢に対応しています。
こうした選択肢の存在は、患者さまの価値観や生活に合わせた治療方法を選択できるという意味でも重要です。
治療期間の考え方
マウスピース矯正の治療期間は、歯列の状態や噛み合わせ、歯の移動距離、骨の硬さなどによって大きく変化します。
部分的な矯正であれば数か月〜1年程度で完了することもありますが、全体矯正の場合はアライナーを計画的に交換しながら治療を進めるため、一般的には1年半〜3年程度を目安とします。
また、治療中は 月1回程度の通院 で歯の動きや装置の適合を確認し、必要に応じて追加アライナー(リファイメント)を作成します。治療期間が患者さまごとに大きく異なる理由は、生体反応による個人差が大きいためであり、正確な期間は精密検査後に提示する形となります。
治療終了後には、後戻りを防ぐために保定装置(リテーナー)の使用が必要で、保定期間を含むと数年にわたる長期的な治療となることがあります。
治療の流れ
マウスピース矯正は、治療計画が明確であるほどスムーズに進みます。当院では、治療開始前に必ず 初回相談(3,300円・税込) を実施し、治療の全体像について理解していただくところから始めます。
初回相談(診断ではありません)

初回相談は、現在の歯並びの悩みや希望を伺い、治療の流れや選択肢について一般的な説明を受ける場です。初回相談では治療計画の決定は行わず、必要な検査について理解していただくことが目的です。
精密検査
治療をご希望の場合、精密検査へ進みます。
- レントゲン
- セファログラム
- 口腔内スキャン
- 写真撮影
などを行い、歯列や骨格の状態を詳細に把握します。
この検査結果をもとに、後日 診断と治療計画の説明 を行います。
診断と治療計画
精密検査の結果を総合的に評価し、治療にかかる期間、通院頻度、使用する装置、想定されるリスク、副作用、費用の総額などを詳しく説明します。
治療計画を確定するのは この診断の段階 であり、初回相談では決定しません。
費用の考え方と当院の料金体系
矯正治療は自由診療であり、治療費は症状や治療内容によって大きく異なります。当院の料金体系に基づき、マウスピース矯正に関連する費用をご紹介します。
初回相談
3,300円(税込)
精密検査
- I期:45,000円
- II期:50,000円
小児矯正(I期治療)
440,000〜500,000円
小児アライナー矯正:650,000円
成人矯正(II期治療)
- マウスピース矯正:990,000円
- 唇側矯正:800,000〜880,000円
- ハーフリンガル矯正:1,300,000〜1,500,000円
- 部分矯正(MTM):230,000円(1ブロック)
処置料
- 小児矯正:4,400円
- 成人矯正:5,500円
- 舌側処置料(ハーフリンガル):7,700円
- アンカースクリュー本体:8,800円/本
- アンカースクリュー埋入費用:40,000円
支払い方法

当院では、現金・銀行振込・分割払い・クレジットカード・デンタルローンに対応しています。デンタルローンでは分割回数に応じて月々の支払い額を調整でき、長期治療でも無理のない支払い計画が立てられます。
治療に伴うリスクと副作用
マウスピース矯正には、治療の特性上避けられない一般的なリスクがあります。
歯の動揺、歯根吸収、装置による違和感、むし歯・歯周病のリスク増加、治療後の後戻りなどが代表的です。これらのリスクについては診断時に個別に説明し、適切な口腔ケアや定期通院によってリスク軽減を図ります。
マウスピース矯正を始める前に
マウスピース矯正は、見た目の自然さや生活への馴染みやすさから魅力的な治療法ですが、治療の成功には患者さまの協力が欠かせません。
特に、装置の装着時間は治療効果を左右する重要な要素で、1日20時間以上の装着が推奨されます。また、決められた交換スケジュールを守ることも重要で、自己管理が求められます。治療期間や
費用は患者さまごとに異なるため、精密検査後に治療計画を作成し、丁寧に説明しながら進めます。
まとめ
マウスピース矯正は、透明で取り外しが可能という特徴から、日常生活に馴染みやすい治療法です。ただし、治療期間・費用・リスクなど、事前に正確な理解が必要となる項目が多くあります。
当院では、初回相談で治療全体の流れを丁寧に説明し、精密検査で得られたデータに基づき治療計画を作成しています。ご自身の歯並びや生活スタイルに合った治療選択を支援し、長期的な口腔内の健康と満足度の高い結果を目指しています。
マウスピース矯正に関心をお持ちの方は、まずは初回相談をご利用いただき、現在の歯列の状態や治療の方向性について、詳しくお確かめください。
著者情報
ニッコリ矯正歯科クリニック 院長 小林 弘史

略歴
2002年03月 駿台甲府高等学校 卒業
2008年03月 東京歯科大学歯学部 卒業
2008年04月 同大学 臨床研修歯科医師
2009年03月 同大学 臨床研修歯科医師 修了
2009年04月 同大学 歯科矯正学講座 Post Graduate Course 入局
2010年04月 同大学 大学院 入学(歯科矯正学講座)
2012年03月 同大学 歯科矯正学講座 Post Graduate Course 修了
2014年03月 同大学 大学院 卒業(歯科矯正学講座)
赤坂まつの矯正歯科にて舌側矯正を研鑽
東京歯科大学 矯正歯科学講座 勤務
2016年04月 同大学 矯正歯科学講座 臨床講師
2018年05月 ニッコリ矯正歯科クリニック 開院