矯正相談や精密検査のときに「CTを撮りますね」と言われると、「普通のレントゲンじゃダメなの?」「CTって何を見るの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、矯正治療を安全に、正確に進めるためにCT撮影はとても大切な検査です。
今回は、 CTでどんなことが分かるのか、なぜ必要なのかを、できるだけ分かりやすくお伝えします。
◆ そもそも“CT”って何?
一般的なレントゲンは、お口全体を平面的に写した写真です。
一方で CTは、歯や骨を立体的(3D)に見ることができる特別な検査 です。
立体的に見えることで、
・歯の根の向き
・あごの骨の厚みや形
・埋まっている歯の位置
など、レントゲンでは見えない細かい部分までしっかり確認できます。

◆ 矯正でCTを撮る意味は?
① 歯の根の向きがしっかり分かるから
矯正では歯を動かしますが、表から見える部分(歯冠)だけで判断すると危険な場合があります。
CTがあれば、根がどの方向に伸びているのか、どれくらいの長さなのかを正確に確認できます。
これにより「安全にどこまで動かせるか」を判断できるため、とても重要です。
② 埋まっている歯の位置が正確に分かる
特に 犬歯や前歯が骨の中に埋まった“埋伏歯” の場合、位置が分からないと周りの歯を傷つけてしまうリスクがあります。
CTなら、
・歯がどこにあるのか
・どの方向を向いているのか
が一目で分かるため、安全に治療を進められます。
③ あごの骨の状態が見える
矯正で歯を動かすには、骨の厚みや質がとても大切です。
骨が薄い部分に無理に動かすと、歯ぐきが下がったり、歯に負担がかかったりしてしまうこともあります。
CTを撮ることで、「どの方向なら安全に動かせるのか」をしっかり判断できます。
④ 顎関節のトラブルがないか確認できる
口を開けるとカクッと音がしたり、顎が疲れやすかったりする場合は、顎関節(あごの関節)の状態も重要です。
CTでは関節の形やズレが分かるため、治療方針を決めるうえで役に立ちます。
◆ CT撮影のメリットって?
◎ 治療の正確さが上がる
立体的な情報があることで、より正確な矯正計画を立てることができます。
ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、治療の安全性や仕上がりの質に大きく影響します。
◎ 思わぬトラブルを事前に防げる
動かしたい方向に他の歯の根があったり、骨が薄かったりすると、後から問題が起こることがあります。
CTがあれば、そうしたリスクを事前に予測して回避できます。
◎ 説明が分かりやすくなる
CT画像は立体的で、とても見やすいのが特徴です。
「ここに歯が埋まっています」「この方向に動かすと安全です」など、目で見て理解しやすくなります。
◆ 気になる“被ばく量”について
歯科用CTは医科用CTに比べて被ばく量がとても少ないのが特徴です。
矯正の診断で必要な情報を一度の撮影でまとめて確認できるため、過度な心配は不要です。
よくあるQ&A
Q1. CT撮影は必ず必要ですか?
A. すべての患者さんで必須ではありませんが、歯の位置関係や骨の状態を正確に把握する必要がある場合に行います。特に、歯が埋伏している場合や、根の位置が複雑なケースでは重要です。
Q2. レントゲンとCTの違いは?
A. レントゲンは平面的な画像ですが、CTは骨や歯根を立体的に確認できます。これにより、治療計画の精度が格段に上がります。
Q3. CT撮影に痛みはありますか?
A. 痛みは全くありません。
Q4. 子供でもCT撮影できますか?
A. はい、可能です。成長中の歯や顎の位置を立体的に把握するため、子供の矯正でも必要に応じて行います。
Q5. CTを撮ることでどんなメリットがありますか?
A. 埋伏歯の位置確認、歯根の形や方向、骨の厚みなどがわかり、装置の選択や歯の動かし方をより安全かつ確実に計画できます。
Q6. CT撮影は一度だけでいいのですか?
A. 基本的には初診時の診断で1回だけの場合が多いですが、埋伏歯の牽引治療や外科矯正などでは途中で追加撮影することがあります。
◆ まとめ
矯正治療は、歯や骨の状態を正しく理解することがとても大切です。
そのために CT撮影は欠かせない検査のひとつ です。
CTを撮ることで、
・歯の根の向き
・骨の厚み
・埋まっている歯の位置
・顎関節の状態
などが正確に分かり、治療の安全性が大きく高まります。
少しでも不安なことがあれば、いつでも相談してください。
納得しながら治療を進められるよう、しっかりサポートします。